結婚式のスピーチ――それは人生の門出に寄り添う、言葉の贈り物です。中でも、新郎新婦の職場の上司が語る言葉には、仕事を通じて築かれた信頼と敬意が込められます。もしも、結婚する部下が「現場監督」という職業であったならば、その仕事の性質を深く理解し、職業人としての魅力や人間性を伝えるスピーチは、きっと会場の心を打つはずです。
本記事では、現場監督という職業に焦点を当て、上司としてどのような視点からスピーチを構成すればよいかを考えてみたいと思います。
1. 職務の厳しさ・責任感を伝える
現場監督は、単なる“現場の管理者”ではありません。建築・土木・設備などの工事現場において、工程、品質、安全、予算の全てを統括し、数多くの職人や協力会社の方々を取りまとめる役割です。「調整力」や「判断力」が問われるプロフェッショナルであることを紹介しましょう。小さな遅れが全体の工程に影響するため、“全体を見通し、細部に気を配る視野”の広さも強調できます。
エピソードを添える
「〇〇さんは、炎天下の中でも、冷静に現場全体を見渡し、職人さんたちとの信頼関係を築いてきました」といった職業観に根ざしたエピソードを短く入れると、聞き手の共感を得やすいです。
2. 「人間関係構築力」や「リーダーシップ」の高さを伝える
現場監督は、現場にいる様々な年齢・性格の職人たちと関係を築きながら、1つの建物を完成させます。職人やスタッフとの信頼関係の築き方に長けていることを伝えると、「この人ならきっと良い家庭を築くだろう」と自然に感じさせられます。また、上からではなく、現場を巻き込んで進める姿勢を描くと好印象です。
信頼関係の具体例
現場の中で「誰からも信頼されていた」「どんな年上の職人にも物怖じせず丁寧に接していた」など、立場を超えた信頼関係の具体例があれば、それが結婚生活への信頼にもつながります。
3. 「チームの成功を支える縁の下の力持ち」としての美点を強調
現場監督は、表に出ることは少なくても、プロジェクトの成否を握る存在です。「段取り八分」という言葉に象徴されるように、入念な準備と先回りの配慮が重要な仕事です。それを支える粘り強さ、几帳面さ、責任感の強さは、家庭でも必ず活きる特質です。
影の努力に焦点を
表立った成果ではなく、「〇〇さんがいたから工事が予定通り進んだ」「人知れず調整していた姿を見てきた」といった影の努力に焦点を当てたエピソードは、聴衆に深い感銘を与えます。
4. 安全・命を預かる仕事の尊さを伝える
現場監督は、人命にも直結する「安全管理」を担っています。結婚する部下が、「人の命を守る」という使命感を持ったプロフェッショナルであることに触れると、親御さんや親族にも深く響きます。一つひとつの判断に、慎重さと覚悟があることも強調すると良いです。
日々の仕事ぶりを交えて
「日々の声がけやヘルメットの着用チェックなど、些細に見える行動にも命を守る責任が込められている」といった観察的なコメントが、職業理解と敬意を伝えます。
結婚式という特別な場において、上司から贈られる言葉は、ただの儀礼にとどまらず、これまでの仕事への労いや信頼、そしてこれからの人生への応援となります。現場監督という責任ある職業に真摯に向き合ってきた部下の姿を思い起こし、その働きぶりや人となりをスピーチの中で丁寧に伝えることができれば、それは間違いなく、本人にとっても、ご家族にとっても、生涯心に残る贈り物となるでしょう。スピーチとは言葉でつくる祝福です。どうか、あなたらしい敬意と想いを込めた一節を届けてください。
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主賓(社長・上司)のスピーチ原稿 代筆
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