「ご主賓」は二重敬語で不自然
結論から言うと、「主賓としてスピーチを」が正しい表現です。
「主賓」という言葉は、招待した方の中で「最も重要な方」という位置づけを表す言葉で、すでに敬意をしっかりと含んでいる表現です。一方、「ご」は相手を敬う言い方になります。
そのため「ご主賓」という表現は二重の敬語のようになってしまい、間違いではないもののかなり不自然な響きになってしまいます。これは口頭でもメールでも同じことが言えます。
そもそも「主賓として」と言う必要はない
社長にスピーチをお願いする時点で、よほどの理由がない限り主賓であることは前提となるため(そうでないと失礼にあたる)、あえて「主賓としてスピーチを」と言わなくても分かるのではないでしょうか。
より分かりやすい伝え方
結婚披露宴における主賓とは何かが分からない方も多いことから、あえて「主賓」とは言わずに、
「新郎側の代表としてはじめにスピーチをお願いいたします」
というふうに表現することをお勧めします。
これにより、結婚披露宴が始まってはじめにスピーチをする(新婦側であれば新郎側に続いて二番目だが、新婦側代表という意味ではじめになる)という意図を明確に伝えることができます。
「ぜひ」という特別感を
より重要なのは言い方ですね。
本質的なのは「人対人」のコミュニケーションです。社長という立場の方であっても、一人の人間として「必要とされている」「頼りにされている」という気持ちを伝えることが何より大切です。
「ぜひお願いいたします」という心からの依頼の気持ちや、「社長にお願いできれば」という特別感を込めた言い方のほうが、心に響き、形式的な敬語よりも、真摯な気持ちで頼られることの方がずっと嬉しいはずです。