結婚式での上司スピーチといえば、仕事ぶりの紹介や激励、家庭生活へのエールが定番ですが、出版業界の人間としては、せっかくなら“この業界ならでは”の視点を盛り込んで語りたいところです。
ここでは、一般的な定型から一歩踏み込み、出版という仕事をよく知る立場から語れるスピーチのポイントを紹介します。
1. 「本づくり」と「家庭づくり」の共通点を軸に語る
出版は、原稿を育て、周囲と調整しながら一つの形に仕上げていく、時間と手間のかかる作業です。これは家庭を築く過程にもよく似ています。「一冊の本をつくるように、夫婦で一つの形を育てていってほしい」といったメッセージは、出版の仕事を理解しているからこそ、自然かつ深みをもって伝えられるでしょう。
2. 日々の仕事ぶりを“家庭に活きる力”として紹介する
部下の編集・校正・企画・営業といった業務の姿勢を、結婚後の生活に結びつけるのも効果的です。たとえば、「几帳面な校正力は、家庭でも細やかな気配りとして生きるはず」「企画力と発想力が、夫婦の生活設計にも役立つだろう」など、仕事で培ったスキルをポジティブに転化させる視点は、同業者として説得力があります。
3. 好奇心と対話力の大切さに触れる
出版に関わる人には、常に新しいものに関心を持ち、多様な視点に触れながら他者と丁寧に関係を築く力が求められます。こうした特性は、家庭生活においても非常に重要です。「相手に対する好奇心と、日々の対話を大切に」と語ることで、業界人ならではの人生観を滲ませることができます。
4. 本に囲まれた家庭のイメージを描く
出版業界で働く人にとって、本は単なる仕事の対象ではなく、人生の一部ともいえる存在です。だからこそ、「本が日常にある、温かく文化的な家庭を築いてほしい」といった願いを込めるのは、業界人らしい視点です。新郎新婦が読書家であれば、なお一層意味のある言葉となります。
5. 締め切りや不規則な仕事との両立に言及する
出版の仕事は締切との戦いや突発的な対応が日常茶飯事。だからこそ、結婚生活との両立には工夫や協力が欠かせません。「忙しい時期には助け合い、理解し合える関係であってほしい」といった言葉は、現実を知る上司ならではのリアルなアドバイスとして響きます。
出版という仕事の性質や、そこに生きる人々の特性を反映させたスピーチは、聞く人の心にも自然と届きます。型にはまらず、部下の人柄や働き方、そして業界ならではの視点を交えて語ること。それこそが、出版人らしいエールの送り方ではないでしょうか。
出版業界 上司のスピーチ 例文はこちら:
出版社の上司から部下(新婦)へ
出版社の上司(編集部の部長)から部下(新郎)へ
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