お二人が並ぶ姿を見て、あらためて「人生には節目というものがあるのだな」と感じました。
そして今日は、その節目を皆でお祝いできる特別な日です。
さて、新婦の仁菜さんとは、職場で長くご一緒させていただきました。
部署の中でもひときわ細やかで、芯のある人。どんなに忙しい日でも、誰かの困りごとには必ず気づき、さりげなく声をかけてくれる。そんな姿を、私は何度も目にしてきました。
つい先日も、あるプロジェクトの引き継ぎの最中、
「次に担当する方が困らないように、ここは少し丁寧に整理しておきたいんです」と話してくれました。
ああ、この人は最後まで“仕事”ではなく“人”に向き合っているんだな、と、胸が熱くなりました。
仁菜さんは、このご結婚を機に、3か月後には退職され、ご家庭という新しいフィールドでの生活をスタートされる予定です。
会社としてはもちろん名残惜しいですが、それ以上に、この決断を心から応援しています。
今の時代、「働く」ことにも、「家庭を築く」ことにも、いろんな選択肢があります。
その中で「家庭に専念する」という選択は、自分自身の心に向き合った、勇気ある一歩だと思います。それに、仁菜さんほどの能力と経験の持ち主は、「また仕事に」と思った時点で引く手あまたでありますから、それが決断を後押ししたのではないかと思います。
そして私は知っています。
仁菜さんの誠実さや、思いやり、そして周囲の人をあたたかく巻き込む力は、これからの家庭生活の中でも、きっとかけがえのない力になることを。
新郎の貴之さんとも、職場で何度かお話をさせていただきましたが、とても真摯で優しい方です。
きっとこれからの毎日は、お互いの“らしさ”を大切にしながら、素敵な家庭を築いていかれることでしょう。
仁菜さん、最後の勤務日まで、どうかいつものあなたらしく。
そしてその先も、新しい日々を、どうかあなたらしく。
私たちはいつでも、あなたのことを応援していますし、
またふと顔を出してくれたら、変わらぬ笑顔で迎える準備もできています。
【締めの言葉】
解説:
退職する新婦に向けたメッセージです。
「会社としてはもちろん名残惜しいですが、それ以上に、この決断を心から応援しています。」これを伝えることで、上司のスピーチの半分くらいは役割を果たしたことになるかなと思います。(残りの半分は祝福です)
家庭に専念することを「勇気ある一歩」とはしていますが、実際問題、家庭に専念できる選択ができること自体、とても幸せなことですので、そんなに押さなくてもいいところかなとも思います。
いずれにしても、実際のお客様の部下の方にも依ってきますので、上の例文は例文として留めて、退職することについてどう捉えるかを慎重に判断する必要があります。