結婚式のスピーチを頼まれると、嬉しさと同時に少し緊張もしますよね。
特にそれが、今の部下と、かつて同じ部署にいた元部下の結婚となると、関係性が複雑で「どう話せばいいのか」と悩む人も多いはず。
今回は、そんな少し特別なシチュエーションでスピーチを任された上司としての立場から、準備と構成のコツをご紹介します。
同じような立場でスピーチを控えている方は、ぜひ参考にしてください。
まずは状況を整理しよう:誰がどんな関係?
今回のようなケースでは、スピーチのトーンや内容を考える上で、まず「自分と新郎新婦の関係性」を明確にすることが重要です。
- 新郎:現在の部下。今も同じ部署で勤務中
- 新婦:以前の部下。昨年3月に退職済み
- 自分:三人で同じ部署に在籍していた時期があり、共にプロジェクトに関わった経験あり
つまり、「今の上司」であり、「かつての上司」でもある立場。
この立場をスピーチの冒頭でハッキリさせておくことで、聞く人にもすっと内容が入ります。
たとえば冒頭でこんな一言を入れてみましょう。
これだけで、スピーチの軸がぐっと整います。
スピーチ前の準備で押さえておきたい5つのポイント
スピーチの成否は、事前準備にかかっていると言っても過言ではありません。
以下の5つを押さえておくだけで、“気配りが行き届いた、温かいスピーチ”に仕上がります。
1. まずは近況を聞いてみる:それぞれの「今」を理解する
新郎と新婦、それぞれに近況を聞く時間を持ちましょう。
* 新郎には…最近の業務や部署での役割、今後のキャリア(例:海外赴任の予定など)
* 新婦には…退職後の仕事、生活、趣味、これからやりたいことなど
この一手間で、スピーチに「今」を感じさせるリアリティが加わります。
2. 三人で共有した“仕事の思い出”を棚卸し
一緒に取り組んだプロジェクトや、チームで苦労して乗り越えた案件など、印象に残っている仕事のエピソードを振り返りましょう。
大切なのは、「新郎・新婦がそれぞれどんな役割で活躍していたか」をバランスよく伝えること。
たとえば…
* 「新郎のリーダーシップと、新婦のきめ細やかなサポートで、大きな課題を乗り越えた」
* 「深夜まで試行錯誤しながら完成させた資料、いまでも記憶に残っています」
など、仕事を通じて人柄が伝わるようなエピソードが効果的です。
ただし、その比重については、絶対に均等にしなければならないわけではなく、新郎が厚めでも、新婦が厚めでもOKです。つまりは、上司と新郎、上司と新婦の関係性によりますし、こと仕事の話だけで言えば、新郎に重きを置くことでバランスがとれることもあります。
3. プライバシーと機密にはしっかり配慮
特に新婦は退職しているため、「どこに転職したのか?」「なぜ辞めたのか?」といった話題に触れるのは細心の注意が必要。
退職について話す場合も、こんなふうに表現すると自然です。
> 「新しい挑戦をされる姿を、陰ながら応援してきました」
理由を語らず、前向きに。これがポイントです。
4. 同期・後輩から“和やかネタ”を仕入れる
思い出話に一つか二つ、職場での微笑ましいエピソードやニックネームを入れると、会場があたたかい雰囲気になります。
* 「よく“○○先輩”と呼ばれていましたね」
* 「ランチのとき、なぜか○○さんの一言で場が締まるのが定番でした」
ただし、あくまで“誰もが分かる・共感できる”内容にとどめること。
内輪すぎる話は避けましょう。
5. 新婦に「話して大丈夫?」の確認をひと言
退職後の生活や趣味などをスピーチで触れたいときは、新婦本人に一度確認を取っておくと安心です。
たとえば、「この話、少しだけ出してもいい?」と前もって伝えておけば、後で気まずくなることもありません。
この小さな確認が、信頼と気遣いのある上司像を作ってくれます。
気配りが伝わるスピーチで、あたたかい門出を
職場の上司という立場でスピーチをする場合、「仕事仲間としての関係性」と「人としての魅力」の両面を伝えることが求められます。
そのためには、
- 二人の“今”に寄り添った視点
- 思い出話の中に人柄がにじむエピソード
- 過去の関係に甘えず、現在の距離感を大切にした言葉選び
この3つを意識すると、聞く人にも伝わる、あたたかくてスマートなスピーチになります。
お二人の幸せを心から願っています。
スピーチを頼まれた上司のあなたへ
このブログを読んでいるということは、きっとあなたも「しっかり伝えたい」と思っているはず。
準備は少し大変かもしれませんが、あなたの言葉はきっと二人の心に残るはずです。
焦らず、でも丁寧に。それが、最高のスピーチへの一歩です。
元上司の結婚式スピーチ「部下が退職・転職している場合」
https://speech-maker.net/5233
結婚式スピーチ 元上司の例文
https://www.documedia-p.com/oiwai-support/sam46.html
※当社運営のウェブページが開きます。