中学を卒業して入社した新婦は、そばで成長を見守ってきた依頼者様(社長)にとっては社員以上の存在。
「娘みたい」とおっしゃっています。
その娘のような社員がこのたび16歳年上の同僚と結婚することに。
最初は歳の差に難色を示していた社長も、若いけどしっかりしている新婦と、真面目で誠実な新郎が仲良く仕事している姿を見ているうちに、
この二人なら大丈夫、と確信します。
そして、二人の結婚をただただ喜んで祝福モード全開に。
「こういうところまで見せてくれるんだという事がとにかく嬉しくて」
「何をおいても仲良くやって欲しい」と
もはやオトーサンの心境。
新婦を思う社長の親心にホロリとさせられました。
しかし、ここで大問題が…
新郎新婦から祝辞を依頼された社長は、実は人前で話すのが大の苦手。
何とか辞退できないものだろうか、と考えられたそうです。
結局、「新郎と新婦に対して、自分が話す以外の方法がない」
と腹をくくられ、どうにかしていいスピーチを贈りたいと相談される様子に感動しました。
そこからは、精一杯のはなむけの言葉を、という気持ちがヒシヒシと伝わって来て、
この気持ちにリボンを付けて新婦にプレゼントできないものだろうか、
この温かい思いを、ホカホカのままピザ屋さんがバイクでデリバリーするように届けることができたらいいのに、
と真剣に考えてしまうほどでした。
思いを形に表すには、色々な方法があります。
お手紙を書いたり、何か得意なモノがある人は絵を描いたり、歌を歌ったり楽器を演奏したり、料理の上手な人は相手の大好きな料理を作ったり、中には五七五をひねるという風流な人(!?)もいますが、
なかなかうまく形にできず、もどかしい思いをする人の方が多いのではないでしょうか。
私などは、いっそ温かい気持ちを玉手箱(浦島太郎がもらったアレです)に詰めて、
いつか辛い時に開けると、(白い煙が出ておじいさんになるのではなく)温かい気持ちに包まれて幸せな気分になれる…
という便利な方法がないものかと非現実的な妄想に走ってしまいます。
若い新婦に玉手箱を渡すわけにもいかないので、ここはやはり沢山のおめでとうの気持ちを花束にして渡すように、社長の思いも言葉の花束にしてプレゼントするのが一番ですね。なぜなら、新婦は退職してしまうからです。
社会人として成長した5年半、世間にはブラック企業などという恐ろしい会社もある中で、
こんな社長の温かいまなざしに包まれて、かけがえのない10代の後半を過ごせた新婦はなんて幸せなんだろうと思います。
結婚を祝う社長の言葉は、そんな新婦にとって将来の大きな力になることでしょう。
そして、社長が認め信頼している新郎と、きっと幸せな家庭を築かれることと思います。
これから結婚する二人をすごく温かい気持ちで応援している、
そんな社長のお話を聴いていたら、親心あふれる言葉が胸に沁みました。