店長と料理人見習いというよりは、お父さんとやんちゃな息子のような距離感。主賓の祝辞でありながら、エピソードも言葉遣いも、やわらかく少しくだけた内容となっているのが特徴です。
加藤でございます。
今、司会者の方から大変ご丁寧にご紹介をいただきまして、うちの大事な雄太の結婚披露宴で、非常に緊張しています。ですが、せっかくの雄太の晴れの日ですので、私から一言お祝いの言葉を述べさせていただきます。
雄太、綾子さん、ご結婚おめでとうございます。ご両家の皆様も、幸せそうな二人の満面の笑顔をご覧になり、お慶びもひとしおのことと存じます。
私どもは、洋食を中心としたレストランを経営しておりまして、雄太はまだ見習いですけれども、料理人としての道を踏み固めている最中でございます。
雄太がうちの店に来てくれたのは、今から四年前。初めて彼と話したとき、その野球少年のようにキラキラした目と、とてもキリッ、キリッとした動きを見て、まさに高校球児のような子だなあと、非常に好感を抱きまして、今後の彼の活躍に期待を膨らませました。
そして、私の期待どおり雄太は料理人として大活躍してくれています。普段は明るく元気に振舞うのですが、その一方で料理を仕上げるときには真剣な顔つきで、そのギャップに驚いています。
店の皆で飲みに行ったり、今の季節ですと花見に行ったりしたときなんかは、誰よりも笑ってはしゃいで喋って、賑やかというよりはやかましいなあなんて言ってたしなめなければならないヤツなんですけれども、それがまあ彼のいいところで、私は彼の存在を妙に微笑ましく思うわけです。
それに、雄太には天賦の才といいますか、もともと料理人としての素質が備わっていたんでしょう。飲み込みが早いというだけでは片付けられないセンスが、彼の腕と料理からあふれ出ておりまして、店の皆で行う新メニュー開発会では、毎回雄太の作品が一番の人気を獲得しています。
そんな期待のエース雄太が、このたび綾子さんとご結婚されると聞き、本当に嬉しく思いました。これから先、お二人でたくさんの幸せを集めて、毎日を笑顔で過ごして行っていただきたい。そのような思いで胸がいっぱいでございます。
長い結婚生活においては、思いやりの心、感謝の気持ち、あるいはかかあ天下など、さまざまな円満の秘訣がございますけれども、私は何よりも、お二人が一緒に食卓を囲む時間を大切にしていただきたいと思います。
雄太と綾子さんがお互いのことを思いながら愛情を注いで作った料理、それは一家の団欒の時間を温めるばかりでなく、お二人の心も安らいだものにしてくれて、疲れも悩みも吹き飛ばしてくれるでしょう。
何より、美味しいものをお腹いっぱい食べることは、お二人の幸せな家庭をもっともっと幸せにするスパイスにもなるはずです。食べ過ぎにだけ少し注意をしていただいて、笑顔にあふれた明るい家庭を築いていってください。
【締めの言葉】
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