結婚式スピーチ作成センター 代筆サービス専門

言葉にできなかった、あの日の気持ち

time 2025/05/08

私は、話すのが苦手だ。

大学のゼミ発表でも、顔が真っ赤になって声が震えた。社会人になってからも、何度プレゼンを頼まれても「別の人がいいんじゃないかな」と逃げ腰だった。なのに、どうしてこんな大役を引き受けてしまったんだろう。

「由梨、結婚式でスピーチしてくれない?」

親友の真奈美にそう言われたのは、半年ほど前のことだった。

彼女は、私の大学時代からの友達で、寮生活も一緒だった。お互い、親には言えないような恋バナも、卒業してからの失恋も、全部話してきた。気づけば10年以上、どんな時も隣にいた人だった。

「私、他の誰の言葉より、由梨の言葉で祝福されたいんだ」

それを聞いたとき、嬉しくないわけがなかった。

…でも、心のどこかで、違和感があった。

「祝福したい」気持ちはあるのに、それを“言葉”にできる自信がない。

 

式の3週間前、とうとう不安が爆発した。

会社帰りの電車の中で「結婚式 スピーチ 書き方」で検索していた私の目に、「スピーチ代筆サービス」という広告が飛び込んできた。代筆?ズルじゃないか?そんな思いもよぎった。

でも、クリックしたページにあったコピーが目を引いた。

「あなたの声を、あなたより美しく。語らなかった気持ちに、形を。」

電話番号の下にあった名前――「祝井」。

そのまんまの名前だな、なんて思ったけど、心のどこかで引き寄せられる何かがあった。

気づけば、問い合わせフォームに手を伸ばしていた。

 

初めての打ち合わせ。カフェで出迎えてくれた彼女は、思ったよりずっと普通の人だった。年齢は30代後半くらい。派手な服装でもなく、声も穏やかだった。

「どうして今回、プロにお願いしようと思ったんですか?」

祝井さんは、そうやって、私の心にまっすぐ入ってきた。

私は、自分でも気づいていなかった心の重りを、一つひとつ話し始めた。

真奈美との大学時代。就職が決まらず落ち込んでいた私を励ましてくれたこと。社会人になってから、仕事が忙しくてしばらく疎遠になったこと。そして、ある小さなすれ違いで、一時期連絡が取れなくなったこと…。

「でも、真奈美は、何事もなかったみたいに“おはよう”って言ってくれて…」

私はそこで、ふいに涙がこぼれた。

「謝れなかったんです。ずっと、言えなくて」

祝井さんは、黙って頷いた。何も言わずに。ただ、ペンを止め、私の目を見るその時間が、ありがたかった。

 

2回目の打ち合わせで、祝井さんは、初稿を見せてくれた。

「少しだけ読んでみてくれますか?」

私は、プリントされた紙を手に取り、声を震わせながら読み始めた。

「ねえ、あのときの『おはよう』が、私の中でずっと鳴ってるの。
あの一言が、私を赦してくれた。私が何も言えなかったあの日を、
“なかったこと”にしてくれたんじゃなく、“越えてくれた”んだと気づいたのは、
今になってからでした。」

読み終わったあと、私は唖然として言葉を失った。

「……私、こんなふうに思ってたんですね」

「由梨さんが言ってくれたことから、拾い集めて再構成しただけですよ」

「でも…これは、私じゃ書けなかった」

祝井さんは、少しだけ微笑んで言った。

「“あなたの言葉を、あなたより美しく”。あのコピー、気に入ってもらえましたか?」

 

本番前夜、原稿を抱えて布団に潜り込んだ。声に出して読むたび、段取りではなく**“感情の風景”**が浮かぶ。

彼女と通った学食のカレーの匂い。夜中に語り合った廊下の硬い床。喧嘩した後に目を合わせられなかったあの朝の光…。

そのすべてが、スピーチの中に生きている。

祝井さんは、記憶に地図を描いてくれた。

 

結婚式当日。

スポットライトに照らされながら、私は壇上に立った。心臓の音が耳に響く。でも、手元の原稿には、「ここで息を吸う」「ここは少し間を」と書かれていた。

それだけで、ずいぶんと安心できた。

私は、ひと呼吸おいて、話し始めた。

「ねえ、あのときの『おはよう』が、私の中でずっと鳴ってるの――」

初めて自分の声が、私のものじゃないように思えた。でもそれは、「他人の言葉」ではなかった。

磨かれた、自分の声だった。

 

スピーチが終わったとき、真奈美が泣きながら言った。

「ありがとう…あなたに頼んで、本当に良かった」

そのときやっと、私は胸の奥に詰まっていた十年分の気持ちを、手放すことができた。

式が終わって数日後、私は祝井さんにメッセージを送った。

《私、本当に自分の言葉で話せた気がしました。あれは“代筆”じゃなくて、“私自身の再発見”でした》

返信はすぐに届いた。

「嬉しいです。
あなたが伝えたいことは、いつも、あなたの中にちゃんとあるんです。
私は、ただそれを“言葉のかたち”にしただけですから。」

 

今でも、スピーチの原稿は私の部屋の机にある。

たまに読み返すたびに、あの日の空気が、胸の奥で静かに鳴り始める。

まるで、あの「おはよう」が、今でも続いているみたいに。

 
 
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取材を受けました。

朝日新聞に掲載されました

 

わかやま新報の取材。

わかやま新報に掲載されました