社長さんの目線で見れば、社員みんながみんな仕事ができるわけではありません。また、仕事ができても好きになれない社員もいれば、仕事があまりできなくても好きな社員もいます。もちろん、仕事ができなくて、かつ、好きではない社員もいます(笑)
この「仕事ができない」にも種類がありますが、暴言や仕事をしないなど、いわゆる問題行動(といえばそれっぽく聞こえるが、要は社会通念上あたりまえのことをせずに、最終的に社会から孤立することにつながるもの)をとる社員というのは、たぶん、どの会社にも一人はいる、あるいは、いたのではないかなあと思います。
で、社長さんは、そんな問題行動をとる社員の結婚式でスピーチをするとき、その仕事ぶりをどう表現するのが良いのか、という問題にぶつかります。
問題といっても選択問題のほうです。つまり、
・せっかくの結婚式なので、ポジティブに言ってあげようかな
・いやいや、あいつ、いつも職場でめちゃくちゃだから、褒めるわけにはいかない
この、社長さんの心の中にいる天使と悪魔、どちらをとるかの選択問題です。
私どものスピーチ原稿作成の経験から申し上げますと、ぜひ天使を採用していただきたいと考えます。
実際のところ、社長さんの思いとしては、結婚式に出席してスピーチなんかしたくないと思っていらっしゃるはずです。または、そこまでではなくても、「なんであいつを褒めなきゃいけないんだ」と、その社員への拒否反応が出ているはずです。
ですが、せっかくの社員様の晴れの日ですので、グッと抑えていただき、ネガティブではない表現にしていただければと思っています。
テクニック的なお話をしますと、「ネガティブではない表現」とは、決して問題の社員をむやみに褒める表現という意味ではありません。
あくまで、否定的にならないように、でも、本当のことを話す表現です。
たとえば、
「対応が遅いので話にならない」なら、「ゆっくりじっくり対応しているので、そこにスピードがついたら完璧」です。
なかば無理やりにではありますが、悪魔を追いやり、天使を頭上に光臨させることで、披露宴会場の空気も自分の心も穏やかになります。
また、マインドとしては、「ポジティブな言い方をすることで、それが社員の心に響き、問題行動がなくなるかもしれない」です。
実際には、万に一つも好転することはないと思いますが、そう思っておいたほうが心の衛生上、よいですね。
どのみち、スピーチの数分間、あるいは、結婚披露宴の数時間だけですので、ググっとこらえていただければと思います。
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