スピーチする予定の方がやりそうな準備に、「話し方を事前に決める」というものがあります。
「原稿を、当日話す用にバッチリ準備しておく」
という、一見とても素晴らしいことのように感じるのですが、いかんせん、そんなにうまくいかないんです。
下記の例文を見てください。
これは、私たちが例文として作成した、主賓のスピーチです。
(建設会社の社長さんと社員さんです)
あえて話し言葉を織り交ぜているのがお分かりいただけると思うのですが、
「このとおりの話し方で行こう」
と思っていても、当日の言葉の出方や会場のトーンなんかも関係して、一字一句このとおり話すことは実際に難しいんです。
人の話し方は機械のように一定ではなく、スピーチをする環境によって少し変わりますからね。
また、いくら話し言葉で原稿を準備していても、話し言葉が原稿になっているので、「話し言葉の原稿を読む」という、結局話し言葉ではないものになってしまうんです。
つまり、話し言葉を事前に決め込んでおいて、それを当日使うというのは不可能、と言い切れるかどうかは分かりませんが、相当困難ではないかと思います。
「じゃあ、優れたスピーチの仕方は?」
との問いに、私たちはこうお応えします。
「決め込まないことです」
今後、このことについてお話をしていきたいと思います。
なお、主賓のスピーチの例文は、下記の当社ページに多数あります。