今回はちょっと難しい、表現のテクニカルなお話を。
この辺のことは、このウェブサイトをご覧の方に参考にしていただくというよりも、
普段、われわれの原稿作成の範疇ですので、
スルーしていただいてもいいかなあと思う内容ではあります。
でも、
とくに主賓の立場の方はこういった細かなところまで気を配ったほうがいいですよ
というアナウンスになると思いますので、ぜひお付き合いください。
「物静かながら、自分の考えをしっかり持っている彼女は、
自身の役割とまっとうしようと、毎日励んでいます。」
これは、部下である新婦の結婚式で発表した上司のスピーチの一部です。
一見すると、新婦の職務への取り組みをわかりやすく表現した一文ですが、
1箇所、修正の余地が、実はあります。
それは、「物静かながら」という箇所です。
「物静かながら」の「ながら」は、「にもかかわらず」という意味です。
そのうえで、文章を正しく理解すると、
「物静かである。それにもかかわらず、しっかり自分の考えを持ち、
自身の役割をまっとうしようと、毎日励んでいる。」
となります。
とくに、違和感は感じないですね。
いっぽうで、フワッと見ると、
「物静かながら、自分の考えをしっかり持っている彼女は・・・」
なんとな~く、物静かなことが少しネガティブに感じられる気がしませんか?
国語のお話ではなく、フワッと見たとき(当日ご出席の皆様が聞いたとき)、
どう感じるか、という捉え方です。
一般的理解として、女性が物静かというのは、
どちらかというといい意味と判断してOKだと思いますので、無難なところで、
「物静かで、自分の考えをしっかり持っている彼女は、
自身の役割とまっとうしようと、毎日励んでいます。」
のほうが、新婦の物静かなご性格を肯定している、いい表現のように感じます。
こういったことは、ホントに細やかで、感覚的なところのお話なのですが、
この「なんとなく」のところが大切なんです。
結婚式にご出席の皆様は、
「スピーチを正しい言葉かそうでないか」
なんて聞き方をしているわけではありませんので、
ざっくり聞いて受ける印象と言うのが大切なんですね。
そういう意味では、話し方もかなり大切なのですが(焦)、
これは別の機会にお伝えしたいと思います。
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