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【作成の所感】社長から社員へ お子さんのいる結婚式

time 2016/10/03

【作成の所感】社長から社員へ お子さんのいる結婚式

「お祝いの場」でどこまで触れてよいものか、
そのバランスが、毎回の悩みどころであり、腕の振るい甲斐のあるところです。

今回の依頼者様は、注文家具を手掛けられている会社の社長様。入社されて15年になる社員様のご結婚に際し、祝辞のご依頼を頂戴いたしました。ご家族で経営されている会社ということもあってか、社員の方たちへの距離の取り方にも、家族に接するような、どこかアットホームな親密さが言葉の端々から感じ取られ、お話しを伺っているとこちらまで気持ちがほっこりとしてきます。

そんな、社長と社員との距離が近い会社様であることから、社員の方からプライベートな相談を受けることも少なくないそうで、今回のヒアリングに際しても、他の依頼者様に比べ、踏み込んだ内容を伺う場面が多くありました。

ただ、結婚披露宴などの場で、お祝いムードにわずかでも気まずさを出すべきではないので、ネガティブと少しでも受け取られる要素については、極力原稿には盛り込まない方向で作成いたしますし、盛り込む場合でもオブラートに包み包みして、必ずポジティブな方向へ舵きりできるものでなければ、やはり使うことはできません。

そのような中で原稿作成者個人として最も頭を悩ませる要素が、授かり婚や、新郎新婦のどちらかにお子さんがいらっしゃるケース、です。

例えば社員同士の絆があまり深くない企業などの場でご披露される祝辞であるならば、踏み込んだ内容には一切触れずに進行しても、何も気にされることはないかも知れません。けれど社員数も多くはないアットホームな会社様の場合、社員みんなが気心の知れた間柄であり、プライベートについてもよく存じられていることが多く、当然ながらご結婚の詳細についても、ご臨席の皆様が承知されているケースが少なくなく、そういった場合、お子さんがいらっしゃることに触れずにおくことはかえってわざとらしい印象を生み、ともすれば気まずさに発展するおそれもあります。

何より気掛かりとなるのが、お子さんを「いない」ものとして扱ってしまうことが、その存在を否定しているような気がして、お子さんに(たとえその場にいらっしゃらないにしても)疎外感を与えてしまうのではないか、といった懸念です。ですから、お子さんがいらっしゃることをきちんと盛り込んだ祝辞内容とするよう心がける必要があります。
今回のご依頼では、実は新婦が二度目のご結婚。小学校に上がるお子さんがいらっしゃるということで、その点に配慮した内容にしないといけません。お父さんとお母さんの記念すべき日。お子さんにとってもすごく幸せな一日のはずですから、三人で幸せに歩んでいってくださいという趣旨の内容は是非とも入れたい、必要不可欠なところでした。

また、今回の内容では、新郎は高校卒業と同時に入社されており、十代の頃からその成長を見守り続けてこられた社長様の心境としては、自分の息子が少年から立派な大人になった晴れ姿を目の前にしている、本当に親身な心持でいらっしゃるはずです。
大切な息子が結婚する。その背中を胸を張って後押ししてやりたい。
この先の人生を、奥さんと、お子さんと、三人で共に歩んでいく。一家の大黒柱として家族を支えていく。そのことに、同じ男として大いにエールを贈りたい。
きっとそのような心境でおられるのだと、言葉の端々から感じられましたので、原稿作成者としてはそのお気持ちを最大限に盛り込みたいと、そう痛切に感じたご依頼案件でありました。

 
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