6月も目前になりましたね。
ジューンブライドという言葉がありますが、残念ながら日本では梅雨の時期。
式を開くのがなかなか難しい頃合いでもありますが、狐の嫁入りよろしく、しとしとと降る雨の中での式というのも、情緒があるものかもしれませんね。
さて今回は、結婚式で社長から社員である新郎に祝辞を述べる場合、個人的にも親しい間柄であるということを話してもいいかどうか、というお悩み。
シチュエーションは、「若かりし頃、スノーボードの指導者だった社長が、教え子だった新郎がトップ選手になりたいという夢を追うために職を転々としていることを知り、夢と生活をバックアップするために自分の会社に雇い入れている」というものです。
一般的に、社長と若手社員の間に親しく言葉を交わすような関係性はあまりないと思います。採用時の最終面接で会ったきり、お互いに何年も顔を合わせていない、という社長と社員だって珍しくないはず。そうした場合の社長のご祝辞は、いわゆる教科書通りにならざるを得ませんし、新郎新婦だって、オトナの事情を優先した結果の人選、というのが本音だったりするわけで・・・。
しかし、今回のお二人は師弟関係からスタートしているのですから、わざわざ一般的な関係に落とし込む必要はありません。ゲレンデでお互いをリスペクトした日々があったからこそ、社長は新郎の人柄や夢を十分に理解した上で、いずれは会社の戦力にもなってくれると判断して採用しているわけですし、新郎にとっては憧れの指導者が最強の理解者になってくれたということに喜びと感謝をもって祝辞をお願いしているはず。ですから、お二人ならではのエピソードを交えてご挨拶されるほうが新郎新婦も喜んでくれると思いますし、ご臨席の皆様にとっても、懐の深い社長の心のこもった祝辞として印象に残るのではないでしょうか。
今回のご祝辞の中では、個人的に親しい関係であることもお話しされたほうがいいと思います。
とはいえ、主賓の祝辞は最長でも6分までにおさめたいところ。楽しかった思い出話をあれこれご紹介していたら、あっという間に時間オーバーになってしまいますので、新郎との最初の出会いから再会、そして現在に至るまでのエピソードは思い切ってぎゅっと凝縮してみてください。そして、新郎の今の活躍ぶりを紹介し、競技者としても社員としても将来を嘱望していることをお伝えするとともに、新郎新婦の幸せな人生のために大切だと考えていることをお話しされてはいかがでしょうか。新郎が歩んできた道や人柄を知り尽くした社長だからこそつむぎ出すことができる、心のこもった言葉がちりばめられた祝辞は、若い新郎新婦の新しい門出にふさわしい、なによりのプレゼントになるはずです。
社長というお立場上、あれこれ気を遣うことも多いと思いますが、ひとりの人生の先輩としてお祝いしてあげたいという、ご自身の率直な気持ちを大切にしていただきたいと思います。
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