結婚式のスピーチの内容は、しっかり準備しておいたほうが良いのは間違いありません。
いっぽうで、厳密に決め込まないほうが望ましいとも言えます。
「準備をしないほうがいい」ではなく「決め込み過ぎないほうがいい」という意味で捉えてください。
「決め込み過ぎないほうがいい」理由は、主に以下の点に集約されます。
1. 柔軟性が出る
当日の雰囲気や反応は予測できません。前もって完全に決め込んだスピーチでは、それに応じてアプローチを変える柔軟性が欠けてしまいます。言葉の選び方や話し方、トピックの深掘り程度などを、リアルタイムで調整することが求められます。
2. 自然な話し方
完全に原稿通りに話すと、会場の人々はそれをすぐに察します。その結果、スピーチは自然さを失い、聴衆とのコネクションも弱まります。対話的な要素を持つことで、視聴者はより関与感を持ち、メッセージに共感しやすくなります。
3. 感情の表現
人間の感情は動的であり、事前に完全に予測することは難しいです。スピーチ当日に感じる感情に基づいて話す方が、感情の豊かさをより正確に表現できます。これは視聴者に対する感情的なつながりを深め、スピーチがより響くようにします。
ただし、これらの点は「準備をしないこと」を推奨するものではありません。大まかなスピーチのフレームワークや、伝えたいポイント、エピソードなどはあらかじめ準備しておくことが重要です。
ここまでお読みいただいてお感じいただけたと思いますが、これは「具体的な表現や話し方は当日の状況に応じて自由に調整する」臨機応変な対応が必要ですので、けっこう難しいのです。
そのため、人前でのご発表が得意でない方には、あまりお勧めできません。と申しますか、人前でのご発表が得意な人って、そうそういないと思いますので、たいていの主賓の方にとって、ここで述べている内容は「スピーチの最善策の一つ」「努力目標」とお思いいただくと、ちょうど良いのかなと思います。
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