結婚式のスピーチ、それも上司としてのスピーチとなれば、誰だって緊張します。むしろ緊張して当然です。よく「練習すれば緊張しなくなる」とか「深呼吸すれば落ち着く」なんて言われますが、そんなテクニックでどうにかなるものなら、こんなに多くの人がスピーチ前に胃を痛めたり、眠れなかったりしないはずです。
残念ながら、緊張対策に「完全な解決策」はありません。どれだけ準備をしても、どれだけ場数を踏んでも、やっぱり本番は緊張するものです。逆に言えば、「緊張しない方法を探す」こと自体が、無駄な努力になりかねないということです。そう思ってしまうと、自分が緊張していることにさらに焦り、「自分は準備不足なんじゃないか」「他の人はもっと堂々と話せているのに」と自己否定のループに入ってしまいます。
でも、そこで一つだけ、安心してほしいことがあります。それは「緊張することは悪いことではない」ということです。いや、むしろ「緊張したほうがいい」とさえ言えるかもしれません。
考えてみてください。あなたが緊張しているのは、それだけ新郎新婦の晴れ舞台を大切に思っているから。失礼があってはならない、心に残る言葉を贈りたい、という誠意があるからこそ、身体が緊張という反応をしているのです。これほど誠実な証拠があるでしょうか。
また、聞いている側も実はあなたほどあなたの緊張を気にしていません。多少声が震えたって、言葉につまったって、誰もそれであなたを責めたりしません。それどころか、「一生懸命で素敵だった」と思ってくれるものです。だから、緊張してもいいんです。うまく話そうとせず、心を込めて話せば、それが一番伝わります。
スピーチを「失敗しないように」ではなく、「想いを伝えること」に焦点を当ててみてください。緊張している自分を否定する必要はありません。その緊張こそが、あなたの優しさであり、真剣さの表れなのです。
最後に——
むしろ緊張したほうがいいと思うんです。そのことを下記で触れていますので読んでください。
あがり症の人のスピーチは上手くなくていい